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カスタムチケット属性
Trac ではチケットにユーザ定義の属性を追加できます。カスタムチケット属性を使用すると、型付けされた、プロジェクト特有のプロパティをチケットに持たせることができます。
設定方法
カスタムチケット属性を設定するためには、 trac.ini ファイルを変更します。カスタムフィールドは、 trac.ini ファイルの [ticket-custom]
セクションに書く必要があります。
各属性の定義は以下のように記述します:
属性名 = タイプ (属性名.オプション = 値) ...
構文の詳細は以下の例を見てください。
属性のタイプとオプション
- text: シンプルな(1行の)テキスト
- label: 説明となるラベル
- value: デフォルト値
- order: ソート時の並び順 (全てのカスタムフィールドで共通するソートの並び順)
- format:
- 通常のテキストを指す
plain
- WikiFormatting として整形を行う
wiki
(0.11.3 以降) - 参照可能な値として整形を行う
reference
(1.0 以降) - スペースで区切られた参照可能なリストとして整形を行う
list
のいずれかを指定する(1.0 以降)
- 通常のテキストを指す
- checkbox: ブーリアン値をもつチェックボックス
- label: 説明となるラベル
- value: デフォルト値 (0 または 1)
- order: ソート時の並び順
- select: ドロップダウンするリストボックス
- label: 説明となるラベル
- options: リストに表示する値を | (vertical pipe) 区切りで記述
- value: デフォルト値 (options の値から一つを指定)
- order: ソート時の並び順
- radio: ラジオボタン。 HTML の select 要素と同じ
- label: 説明となるラベル
- options: リストに表示する値を | (vertical pipe) 区切りで記述
- value: デフォルト値 (options の値から一つを指定)
- order: ソート時の並び順
- textarea: 複数行のテキストエリア
- label: 説明となるラベル
- value: デフォルトで設定されるテキスト
- cols: 入力領域のカラム幅
- rows: 入力領域の行数
- order: ソート時の並び順
- format: 通常のテキストを指す
plain
もしくは WikiFormatting として整形を行うwiki
のいずれかを指定する (0.11.3 以降)
サンプル
[ticket-custom] test_one = text test_one.label = Just a text box test_two = text test_two.label = Another text-box test_two.value = Default [mailto:joe@nospam.com owner] test_two.format = wiki test_three = checkbox test_three.label = Some checkbox test_three.value = 1 test_four = select test_four.label = My selectbox test_four.options = one|two|third option|four test_four.value = two test_five = radio test_five.label = Radio buttons are fun test_five.options = uno|dos|tres|cuatro|cinco test_five.value = dos test_six = textarea test_six.label = This is a large textarea test_six.value = Default text test_six.cols = 60 test_six.rows = 30
Note: select
タイプのフィールドを非必須 (optional) にしたい場合、 フィールド名.options
オプションの先頭に バーティカルパイプ (|)
を設定してください。
カスタム属性を含むレポート
カスタムチケット属性は ticket
テーブルに保存されるのではなく、 ticket_custom
テーブルに保存されます。したがって、レポートのカスタム属性を表示するためには ticket
と ticket_custom
の 2 テーブルを join する必要があります。 progress
と設定されたカスタムチケット属性の使用例を示します。
SELECT p.value AS __color__, id AS ticket, summary, owner, c.value AS progress FROM ticket t, enum p, ticket_custom c WHERE status IN ('assigned') AND t.id = c.ticket AND c.name = 'progress' AND p.name = t.priority AND p.type = 'priority' ORDER BY p.value
Note この例は progress が設定されたチケットだけを表示します。すべてのチケットを表示するのではありません。既にいくつかのチケットを作成した後でカスタムチケット属性を定義した場合、既に作成されたチケットにはカスタムチケット属性が定義されません。そのため上記のクエリではチケットが表示されないでしょう。既に作成されたチケットにカスタム属性を設定し直せば、カスタムチケット属性は定義されます。そして、上記のクエリによって表示されるでしょう。
しかし、すべてのチケットエントリを ( progress が定義されていないエントリーも一緒に ) 表示したいのであれば、クエリにおいてあらゆるカスタムフィールドに JOIN
を使用する必要があります。
SELECT p.value AS __color__, id AS ticket, summary, component, version, milestone, severity, (CASE status WHEN 'assigned' THEN owner||' *' ELSE owner END) AS owner, time AS created, changetime AS _changetime, description AS _description, reporter AS _reporter, (CASE WHEN c.value = '0' THEN 'None' ELSE c.value END) AS progress FROM ticket t LEFT OUTER JOIN ticket_custom c ON (t.id = c.ticket AND c.name = 'progress') JOIN enum p ON p.name = t.priority AND p.type='priority' WHERE status IN ('new', 'assigned', 'reopened') ORDER BY p.value, milestone, severity, time
この LEFT OUTER JOIN
ステートメントに特に注意してください。
データベースを更新する
上記に記述したとおり、カスタムフィールド設定以前に作成されたチケットには、該当するフィールドの値が定義されていない状態になります。以下のような SQL を Trac のデータベースで直接実行することで、カスタムフィールドの初期値を設定することができます (SQLite 向けの SQL ですので、 DBMS に応じて調整してください)。カスタムフィールド 'request_source' が存在しない、全てのチケットにデフォルト値 'None' が挿入されます:
INSERT INTO ticket_custom (ticket, name, value) SELECT id AS ticket, 'request_source' AS name, 'None' AS value FROM ticket WHERE id NOT IN ( SELECT ticket FROM ticket_custom );
複数のカスタムフィールドを追加している場合、 ticket
表への副問合わせで対象となるカスタムフィールドの名前を指定しなければなりません (訳注: 通常は上記の例ではなく、こちらを使うといいでしょう):
INSERT INTO ticket_custom (ticket, name, value) SELECT id AS ticket, 'request_source' AS name, 'None' AS value FROM ticket WHERE id NOT IN ( SELECT ticket FROM ticket_custom WHERE name = 'request_source' );
See also: TracTickets, TracIni